記録も映像の役割と捉えているremoではドキュメンタリーというジャンルも気になるところ。そして、ドキュメンタリー作品とはただ記録するというだけでなく、どういう角度からその事象を切り取って編集し、何を伝え、表現するのかという監督のジャーナリスティックな視点が重要なポイントだ。今回、日本では初上映となった新作の『our
museum』では一人のアーティスト活動やある展覧会を追ったものとは違い、「美術館」という存在、活動、役割に焦点をあてている。岸本氏の個人的な思いから作ることになったというこの作品は、私達が既存の価値観にとらわれず、今後の美術館の在り方を考える上で重要な要素となるものを多く含んでいる。他にもこれまでの12作品を上映。それぞれ作家へのインタビューを交えての構成で、普段は見ることのない作品の舞台裏、作家の真髄に迫る。記録という意味でも重要なアートドキュメンタリー、そのわりには認知が低く、制作者も少ない日本で、活動を続けるUfer!
Art Documentaryの貴重な作品を今後も紹介していくとともに、海外の作品やフェスティバルの状況もリサーチをしたい。7月には現在制作中の束芋のドキュメンタリー第二弾「oimo」を発表。