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< 大阪現代芸術祭プログラム>
[New Visionaries _09レクチャー&上映]

視覚玩具−日本の幻灯からからおもちゃ映画まで
ゲスト講師:松本夏樹


江戸時代のアニメーションと言われている写し絵、または錦影絵のもととなっている幻燈はオランダから渡来したと言われている。日本でさまざまな工夫が凝らされ、幕末から明治にかけて人気を博し、各地で上演が行われた。一台で投影される西洋の幻燈とは異なり、日本では数台の幻燈でしかも手持ちで、より繊細な描写が行われていた。さらには、低価格の家庭用幻灯も販売され、1897年(明治30年)映画が公開されるようになるまでは、流行していたという。

大正末から昭和初期には紙芝居とならんで活動写真の露店上映が行われるようになった。劇場公開された映画の断片、ダイジェスト版を見るための35mm手廻し玩具映写機や、戦前は高価で手に入りにくかったセルロイドの変わりに紙製フィルムを使用する映写機なども開発されている。またおもちゃ映画用に独自で漫画映画なども制作されたよう。フランスのパテー社が開発したという9.5mmの登場で、個人での撮影が可能になり、プライベートフィルムが誕生する。と言ったように、幻燈や玩具映写機など西洋から輸入されて来たものだが、日本では独自に開発、発展し、テレビの誕生以前に映像が家庭に入り込んでいたのだ。

今回はこれらの映写機での貴重なフィルムをコレクションしている松本氏をゲストに招き、実際に上映を行いながら、日本における江戸時代からの視覚文化の流れを辿る。



松本 夏樹(まつもと なつき/多摩美術大学・大阪芸術大学非常勤講師・精神史&映像史研究家)
>> 幻燈機をはじめ、上記の玩具映写機、パテ・ベビー(9.5mmの映写機)などの他、種板やフィルムのコレクションも数多く、2002年にオープンした大阪芸術大学博物館に寄贈したほど。また昭和初期に街角で上映されていた活動写真の露店を再現し、ブリキの手廻し映写機でおもちゃ映画を再上映するなどの活動も行っている。

12/13(土)
15:00〜17:00
¥1000