Report

<大阪現代芸術祭プログラム>
[New Visionaries _08_screening]

[dial H-I-S-T-O-R-Y]
 

 10月26日〜11月9日の間の数日間、'97ドクメンタXの出品作でもあり、世界各地の数多くの映画祭や展覧会で上映されてきた[dial H-I-S-T-O-R-Y]の関西初公開を行いました。初日には、監督Johan Grimonprez(ヨハン・グリモンプレ)氏も来阪し、粉川哲夫氏(メディア批評家)とのトークも開催されました。
 [dial H-I-S-T-O-R-Y]とは、1931年のペルー人革命家による歴史に残る世界初のハイジャックをはじめ、日本の連合赤軍によるよど号ハイジャック事件、大韓航空機撃墜事件などの様々な国際テロ、ハイジャックを報じるテレビ・ニュース映像が切り刻まれ、ミュージック・ビデオ的にリミックスされたドキュメンタリー映像作品。その独特のサンプリング手法で世界各国の映画祭、美術展を驚愕させ、コンテンポラリー・アート作品としても極めて評価が高く、アメリカの2002年9月11日世界貿易センター爆破事件を予見したということで、事件後再び世界中で大注目をあびています。
 作品の奥に潜む「メディアとは何か?」という問いかけによってなのか、ある視点においては政治弱者の表現とも捉えられるテロ行為と、マス・メディアにおける権力と大衆の構図とが重なるように感じられるアイロニカルな作品でした。グリモンプレ氏の解説によると、キーワードは[zapping](ザッピング)。リモコンでTVのチャンネルをカチャカチャ換える行為からとられたとされるその手法は、現代を象徴しているかのよう。[zapping]に関して詳しくは下記URLにて。

http://www.zapomatik.com/