僕はダンサーです。ダンサーと恥ずかしい気持ちなく名乗れる様になったのは最近で、結局誰もがダンサーだし、俺はいいダンスを踊りたいという心意気もあるのだから、恥ずかしがらずダンサーと名乗ることにしました。すぐ前を歩くおばちゃんが急に振り向く、子供がうつむき、葉が落ちる、綺麗な女の人が酔っ払ってよたたたと土下座してゲー、狭い歩道で前からおっちゃんが来たから、右によけたらおっちゃんも同じ方によけて、逆によけたらおっちゃんも逆に、逆によけたらおっちゃんも逆結局チュー、コンビニ、店員同士なにやら楽しそう、水曜は左利き、恋人との最後の握手、大家さん歩く、俺はダンサーだから、いいダンスは何故いいのか考えて、場所と動きと動くものと見る人との刻々と変わる関係が本能や美意識と重なった時、いいと思うのだ、踊り方がわかった!と最近思ったけどなかなかに難しい。ただ、誰の、どんなダンスでも、すごいものはすごいです。

 

垣尾 優
Masaru Kakio
>> 1973年生。2/1〜2(東京シアターX)・2/5〜6(神戸アートビレッジセンター)にて上演されるアンサンブル・ゾネ公演「Nebel land」に出演。
2/24 Art Theater dBにてダンス公演「ガムをすすめる」上演。