Alternative Media Gathering
「バルセロナのアート・アクティヴィズム」


2004/11/7、スペイン、バルセロナを拠点に様々な表現活動を行うアーティストグループ Las Agencias のレオニダス・マルティンとシモーナ・レヴィによるプレゼンテーションが行われた。かれらは、いわゆる美術空間で作品を発表するだけでなく、現実の社会と向き合い、問題や疑問に積極的にアクションを起こしていくという活動を展開するアクティビストでもある。

たとえば「プレタ・リヴォルテ」は、デモンストレーションのためのファッションを提案するプロジェクト(プレタポルテとレヴォリューションを合わせた造語)。2002年には、経済のグローバル化を最優先するサミットに対する抗議行動にも参加した。

ここでは、様々な人々がワークショップに集まり、アイデアや技術を持ち寄って、警察の弾圧(ゴム弾・棍棒・放水など)から身を護る防具をそなえ、胸元に小型カメラを装備して、カラフルでユーモラスな防御服を制作、街の中心にある広場でファッション・ショーを実演。また、中古のバスをペイントし、街を移動しながら、小型カメラから無線で送られてくるデモの様子をインターネットへストリーミング中継。情報通信技術を駆使するのみならず、バスの屋上を演台にして、民衆が自らの表現の場とする「広場」本来の役割をも回復した。

六万人もの人々が広場のバスをとりかこむ様子は、まさに圧巻。美術館に展示される狭義の意味における「アート」ではなく、街頭に繰り出して人々を繋ぐ「装置」として、かれらの表現活動は有機的に機能していた。さらに、このプロジェクトの資金は、失われつつある社会との接点を模索する美術館の提供という。ジョージ・オーウェルの『カタロニア讃歌』でも有名なカタルーニャ地方は、内戦時代にも一時的に自治を成し遂げた市民意識の高いところ。そんな歴史を思わせる、ラディカルなアートプロジェクトだった。

remoでは「独立系オンライン・メディアの台頭」に注目するとともに、「耕すこと」という語源をもつ「文化」の社会的意義を鑑み、このような文化実践を涵養するためにも、「もうひとつのメディア」のつどいを継続していきたい。

text:桜田和也(remoスタッフ)


参考URL:
http://www.lasagencias.org/
http://hotwired.goo.ne.jp/matrix/0301/