リュミエール兄弟が動くイメージ「映像」を鑑賞する仕組みを開発して以来、エンターテイメントとしての商業映画が発展していく一方で、フィルムを用いたあらゆる表現に関する実験が繰り広げられ、数々の手法や作品が生み出されるとともに、映画が成熟するプロセスの一旦をも担うこととなりました。その後、テレビやビデオなどの出現により、ビデオアートと呼ばれる作品が生まれているように、アーティストは常に、同じメディア(媒体)を使いながらも、既存のメディアの在り方を検証し、異なった視点でそれの持つ特異性を見い出し、その可能性をあらゆる方向に拡張することで、新たな表現を創造し続けています。今後、さらに増殖していくであろう多種多様な映像表現のアウトプットは、既存の映画館やテレビ、そして美術館のみにとどまることはないでしょう。
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